すいかあめ工場

【原神セレベンツ】日本語版と英語版の違い【第2話】

原神公式マンガ『原神セレベンツ』の、日本語版と英語版の違いをまとめた。

 

大意は同じでも表現がやや異なるものから、まったく別の意味になってしまうものなど様々あったが、個人的に気になったものをいくつかピックアップする。

 

※ページ数は日本語版を参照

※単語レベルで違う箇所は太字で示す

※日本語・英語の片方にしかない表現を扱うこともある

※英語の文を和訳することもあるが精度は保証しない

 

 

 

p2 ガイア

[ja] 俺の義兄弟ディルック

[en] Diluc and I are like brothers.

ディルックについて語るガイア。

日本語では「義兄弟」と一語で表されているものが、英語では「兄弟のようなもの」とぼかされている。

法的な親類ではなく、兄弟同然の距離感でいたことを示すちょうど良い単語がないものと思われる。

日本語の「義兄弟」も複数の意味があるのでややこしい (詳細は以下) 。


【余談】「義兄弟」とは 【クリックで展開】

1. sworn brother: 盟友

2. blood brother: 血盟

3. brother-in-law: 配偶者の兄弟

4. adopted brother: 養子の兄弟

 

ディルックとガイアの関係に最も近いのは4か?

桃園の誓いみたいな義兄弟の契りを交わした様子は描写されていないため2ではないだろうし、3はありえない。

1に相当するかは微妙……例の事件以前は互いを盟友だとみなしていたかも?

 

 

p2 ガイア

[ja] モンド城じゃ一番の金持ちの坊ちゃん

[en] He's also the richest bachelor of Mondstadt.

ディルックについて。

bachelor は独身男性。

 

 

p2 ガイア

[ja] やれやれ

[en] I don't mind that at all.

「本当のディルックは俺と同類で悪人」というような内容の直後。

日本語では描き文字なのが、英語では文になっている。

このようなパターンはよく見られる。

意味は「俺はそんなことまったく気にしない」

 

 

p3 ガイア

[ja] やっぱり正義の味方のほうが断然可愛い

[en] And that's because I find those exemplars of justice funny at times.

このセリフのあるコマでアンバーが描かれている。

英語では「(俺が悪人なのは) 正義の模範となる人たちを時に奇妙だと感じるからだ」となっている。

英語のほうがガイアの捻くれ具合がわかりやすい。

 

 

p9 ガイア

[ja] 楽な仕事じゃない

[en] I really hate this job.

ファデュイの外交官を護衛する任務についたガイアのセリフ。

英語は「この仕事は本当に嫌いだ」となっており、語気が強い。

 

 

p23 アンバー

[ja] なによ へなちょこ扱いして…

[en] What the hell! He still treats me like a rookie!

ガイアに対する文句。

rookie は新人。

日本語のほうが可愛いらしく感じる。

 

 

p24 ガイア

[ja] 幼い頃より将来を有望視され

[en] His family had high hopes for him.

ガイアのディルック評。

英語では誰がディルックの将来を有望視していたのか書かれている。

 

 

p25 ガイア

[en] And now he's a brooding guy with a penchant for black.

ガイアのディルック評の続き。

日本語では何も書いていない部分に追加されている文。

「そして今は黒を好む陰気な男だ」といった意味。

 

 

p25 ガイア → ディルック

[ja] 例の事件 聞いたか?

[en] You seem pretty cool despite all that crazy stuff happening out there, Diluc. You know what I'm talking about.

ディルック家別邸を訪れたガイアのセリフ。

英語は「外じゃおかしな事件が起きているというのにずいぶん冷静じゃないか、ディルック。俺が何の話をしているのか知ってるんだろ」みたいな感じか。

長いしうざい。

 

 

p25 ガイア → ディルック 

[ja] 愚人衆ファデュイの奴らが襲われた あれ

[en] Your bro Kaeya's talking about the attack on the Fatui envoys.

「弟のガイアがファデュイの襲撃について話しているぞ」

英語では謎に弟アピールしている。

ゲーム内のガイアのキャラクター詳細には「彼がディルック・ラグヴィンドを『義兄』と呼ばなくなってから、随分長い時間が経った」とあるので (英語版も同様)、セレベンツ時点でまだ your bro Kaeya と言っているのは不自然に思える。

 

 

p26 ディルック → ガイア

[ja] 騎士団のガイアさん

[en] Sir Kaeya of Ordo Favonius

英語では Sir が太字になっており、よそよそしさが強調されている。

 

 

p26 ディルック → ガイア

[en] And you're not my bro.

騎士団のガイアさんの直後のセリフ。

日本語にはない。

「君は弟じゃない」とのこと。

 

 

p30 ガイア

[ja] サッ

[en] Aim straight next time.

日本語では擬態語。

英語ではダーツの矢を花瓶に命中させたディルックに対しての発言に変わっている。

 

 

p30 ディルック

[ja] 花瓶は執事に持ってきてもらう

[en] You! Go by a vase right now!

英語では「今すぐ花瓶を買ってこい」と執事にその場で命じている。

余程ガイアのセンスを信用していないのか。

 

 

p31 ディルック

[ja] 騎士団でも多忙だろ 来る必要はない

[en] Guess I won't see you again, then. May the wind be with you, sir Kaeya.

英語では「騎士団でも多忙だろ」とは言っていない。

そして「風が君とともにありますように、ガイアさん」という別れの挨拶、というかガイアを追い払うような発言が増えている。

 

 

p31 メイド → ガイア

[ja] またお越しください

[en] Please come back, Master Kaeya!

ディルック家を後にするガイアへの発言。

Master Kaeya の呼びかけがあることで、ガイアを今でもラグウィンド家の一員として見なしている感が強くなっている気がする。

 

 

p31 ガイア → メイド

[ja] ああ

[en] Of course I'll be back just to see you, sweetie.

メイドの発言に対するガイアの返答。

英語では「もちろん、あなたに会うためだけに戻ってくるよ」となっている。

……こんなキザなやつだっけ?

 

 

 

おしまい

 

 

 

公式漫画

Genshin Impact – Step Into a Vast Magical World of Adventure

 

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【原神セレベンツ】日本語版と英語版の違い【第1話】

原神公式マンガ『原神セレベンツ』の、日本語版と英語版の違いをまとめた。

 

大意は同じでも表現がやや異なるものから、まったく別の意味になってしまうものなど様々あったが、個人的に気になったものをいくつかピックアップする。

 

※ページ数は日本語版を参照

※単語レベルで違う箇所は太字で示す

※日本語・英語の片方にしかない表現を扱うこともある

※英語の文を和訳することもあるが精度は保証しない

 

 

 

タイトル

[ja] 饗宴の酒

[en] Bad Wine

タイトルから既に違う。

 

 

p7 モブ

[ja] このお酒 ボトルで買えば おそらく私の屋敷よりも高いでしょう

[en] A single barrel of this fine vintage is worth one of my mansions.

ディルック主催のパーティに参加したモブのセリフ。

日本語はボトル、英語は樽。

日本語のほうが酒の価値が高い。

 

 

p18 サイモン

[ja] こちらは西風騎士団の庶務長 –– ガイア

[en] Allow me to introduce Kaeya, quartermaster of Ordo Favonius.

quartermaster は  「補給係将校」*1 の意である。

 

余談1: リサのキャラクターストーリー4にある「庶務長ガイア」は、英語ではただの "Kaeya" になっている。

余談2: 西風騎士団はゲーム内で "Knights of Favonius" になっている。

 

 

p21 ガイア

[ja] 閣下が仰っているのは…強制的に人を募るように聞こえるんだが?

[en] This sounds like a blood tax paid with the lives of our children.

英語は「子どもの命で支払われる血税」と言っている。

より生々しい。

 

 

p27 サイモン

[ja] 家族であろうとも連絡が取れない

[en] had never returned to their family

ファデュイがモンドの子どもを連れ去る件に関して。

英語では「二度と帰ってこない」と明言している。

 

 

p45 博士

[ja] 無能な奴だ

[en] Useless menial with loyalty issues.

博士はファデュイ執行官 (Il Dottore) のこと。

ディルックに脅されて博士の目的を喋ろうとしたクローバー (Krupp, 博士の部下) を殺害した後のセリフ。

英語では「忠誠心に問題のある使えない下っ端」と貶している。

 

 

p45 博士

[ja] 話せばどうなるか知っていたろうに

[en] breach of confidence will result in immediate removal of files

英語は「機密保持に違反した場合はファイルを直ちに削除する」。

日本語よりも直接的。

 

 

p48 博士 → ディルック 

[ja] これからお前はもっと面白くなるかもな

[en] I can see ... a bright future ahead of you.

邪眼を使うディルックに対するセリフ。

こいつの言う bright future (輝かしい未来) はロクなもんじゃない気がする。

 

 

p49 ディルック → サイモン

[en] It's nothing. Just some bad wine we had to dump.

「何でもないです。ただ悪いワインを捨てる必要があっただけですから」

ディルックから変な匂いがするとサイモンが言った後のセリフ。

匂いを指摘するくだりは日英両方にあるが、それに対する説明は英語にしかない。

"bad wine" という表現はタイトルに対応している。

ちなみに匂いというのは、邪眼を使用したときに発生する霧虚草の匂いのことかと思われる。

 

 

p50 ガイア → ディルック

[ja] お父上のお宝を餌に客を「饗宴」に招いて虫とネズミを炙り出す…

[en] Sacrificing your late father's fine vintage to get rid of a rat and it's fleas ... quite a waste if you ask me.

英語ではディルックの父が既にこの世を去ったことが明言されている。

また、文末に「俺に言わせればかなりもったいない」が付け足されている。

日本語の「饗宴」はタイトルに対応している。

 

 

p53 博士

[ja] クローバーはどこだ......

[en] I haven't seen those mustachios for a while.

英語ではクローバーのことを「大きな口ひげ」と称している。

 

 

 

おしまい

 

 

 

公式漫画のリンク

Genshin Impact – Step Into a Vast Magical World of Adventure

 

他の記事

【原神セレベンツ】日本語版と英語版の違い【プロローグ】 - すいかあめ工場

【原神セレベンツ】日本語版と英語版の違い【第2話】 - すいかあめ工場

 

 

 

*1:井上永幸, & 赤野一郎 (Eds.). (2013). ウィズダム英和辞典 (3rd ed.). 三省堂.

【原神セレベンツ】日本語版と英語版の違い【プロローグ】

原神公式マンガ『原神セレベンツ』の、日本語版と英語版の違いをまとめた。

 

大意は同じでも表現がやや異なるものから、まったく別の意味になってしまうものなど様々あったが、個人的に気になったものをいくつかピックアップする。

 

※ページ数は日本語版を参照

※単語レベルで違う箇所は太字で示す

※日本語・英語の片方にしかない表現を扱うこともある

※英語の文を和訳することもあるが精度は保証しない

 

 

 

p14 ナレーション

 

[ja] 風の神は

[en] archon of the wind Barbatos

日本語では「バルバトス」の名が出ていない。

 

 

p14 ナレーション

[ja] 風の神は人々へ知恵とを伝え授けた。風車を造り、人々に食材の加工と酒の醸造法を教えた。

[en] The wind archon then imparted his wisdom to people. They brewed wine, built windmills, ...

英語には「力」がない。

風車を造ったのは日本語では風の神、英語では they = 人々となっている。

 

 

p17 ウェンティ

[ja] さっきの詩のお代はここのリンゴ100個と交換でもいいよ

[en] the song for this square doth fetch one hundred apples, grown with loving care ...

英語のほうが詩的。

なお、英語版ウェンティのセリフは他にも洒落た言い回しのものが多い。

 

 

p23 ウェンティ

[ja] こうしちゃいられない——

[en] So why do we dally? At the ludi shall we rally!

バドルドー祭 (Ludi Harpastum) に向かうウェンティのセリフ。

英語は韻を踏んでいる。

意味は「ぐずぐずしちゃいられない、お祭りに集まろう!」といったところか。

 

 

p27 モブ&ウェンティ

mob: You're not from these parts! 

(日本語: ん?あんた…よそから来たのか?)

Venti: NO, SIR!

モブのセリフは日英で大体同じだが、英語版はウェンティの "NO, SIR!" がフキダシ外に付け足されている。

笑えるポイント。

 

 

p29 ウェンティ

[ja] こういう意味だったんだ

[en] this fat lard must be Barca the lordling ...

バドルドーでだれも球を拾おうとしない状況を見たウェンティの一言。

英語のほうはもはやバク (Barca, ローレンス家の跡取り) に対するただの悪口。

fat lard は文字通り「太ったラード」、lordling は「小貴族」とこれまた馬鹿にした言い方である。

 

 

p31 ウェンティ

[ja] ゲームはルールを守らなきゃ その偉大なる家っていうのは常識も教えてくれないの?

[en] Games are meant to be played by the rules, perhaps you missed that while sleeping through school.

バクに向かって言ったセリフ。

英語のセリフによると、モンドには学校制度が存在する模様。

 

 

p35 オノマトペ

[ja] たじ…

[en] These savage slaves are quick to anger ...

ヴァネッサに遭遇したバクの反応。

「こいつら野蛮な奴隷はすぐ怒るんだよな…」みたいな感じか。

このように、日本語ではオノマトペで表現されているものが、英語では文で表現されている場合が多々ある。

 

 

p42 ヴァネッサ → ウェンティ

[en] And stop the rhymes. It irks me.

「韻を踏むのをやめてください。イライラします。」

英語ではウェンティの吟遊野郎ぶりが指摘されている。

 

 

p42 ウェンティ

[ja] 大陸西部の火山地帯に住む民族のことだよ

[en] A strong and proud people who dwell on the volcanic slopes of the west.

ムラタ人の説明。

strong and proud (強く誇り高い) が日本語にはない。

 

 

p49 ヴァネッサ → ウェンティ

[ja] あの空にある島の話を話してもいいですか?

[en] Can you tell me something about Celestia?

英語では「セレスティアの話をしてくれませんか?」と尋ねている。

日本語と逆。

 

 

p49 ウェンティ → ヴァネッサ

[ja] その話を聞く機会は今後いくらでもあるからさ

[en] There's plenty of time for songs about celestia.

こちらも日本語と英語で逆になっている。

 

 

p64 ヴァネッサ → ウェンティ

[ja] その格好はいったい...

[en] You ... are you the ...... the wind god?

英語は「あなたが…風の神なんですか?」と訊いてしまっている。

 

 

p67 ナレーション

[ja] 『古代戦争』の後、人々の想いより建立されたモンド本来の姿に——

[en] Just as I intended when I raised the city after the first wars.

日本語では3人称視点のナレーションが、英語ではウェンティの詩になっている。

このナレーションは68ページまで続くが、英語のほうだけ次ページから音符マークが添えられている。

 

 

p69 ウェンティ

[ja] 遥か昔より伝わってきた物語

[en] In other, distant worlds ...

distant worlds (遠くの世界) とは……?

 

 

p69 ウェンティ

[ja] プルシャの体が千切れ

[en] The gods sacrificed Purusha and cut his body to pieces ...

日本語では自動詞になっており、この箇所だけだと自然に千切れたとも解釈可能。

英語では神が引き裂いたと明言されている。

元ネタのインド神話でも、千切れたのではなく千切ったことになっている。

プルシャ - Wikipedia

 

 

 

おしまい

 

 

 

公式漫画のリンク↓

Genshin Impact – Step Into a Vast Magical World of Adventure

 

【ゴールデンカムイ】梅子について色々【ネタバレあり】

302話 (1月6日配信分) までのネタバレを含みます。

5月2日追記:最終話までのネタバレを含みます。

 

無料公開を機にハマった『ゴールデンカムイ』。

物語は佳境を迎え、権利書と金塊の行末、主要登場人物の生死、アシリパさんの歩む未来が気になるところである。

一方でずっと引っかかっていたのが、杉元が金塊を狙うきっかけとなった、梅子のことだ。

梅子についていろいろ考えてみる。

 

 

梅子は治療を望んでいるのか

そもそも梅子の意向がわからない。

寅次が「梅子を頼む」と言いはしたが、梅子自身が目の治療を希望しているのかが不明だ。

 

目が見える人 (目が見えるの定義は置いといて) をマジョリティとして現代社会が成立しているのは明らかである。

それは『ゴールデンカムイ』の世界でもおそらく同じだ。

だからといって、当事者でない人が何の疑いもなく目の治療を是とするのは違う気がする。

梅子の視力に関して杉元は何の苦労も共有していないのに、金だけほいと渡されても、梅子は納得するだろうか。

 

要するに、梅子本人が治療したいならそれで良いし、治療にこだわっていないなら杉元の行動は押し付けがましくないか、と思った。

 

 

梅子再婚説

もし梅子がとっくに再婚していたなら、杉元の関与できる余地はますます無い。

再婚相手からしたら杉元なんて誰?誰なの?状態な可能性がある。

仮に再婚相手がめっちゃ金持ちで使用人もたくさん雇えて低い視力から生じる諸々の不便を解消できるなら、わざわざ未知の国に渡航するの、面倒くさくないか。

 

梅子にとって、杉元はすでに過去の人ではないだろうか。

連れてって、と頼んだのに杉元がひとりで去ったとき、梅子と杉元の関係は終わってしまったような。

 

杉元も杉元で、あなた…どなた?と問いかけられたのに答えなかった。

親しかったはずの人に認識されなくて動揺するのは当たり前だとは思うが、黙っていなくなるのは……杉元らしいというかなんというか。

 

だがその辺りも、アシリパさんと一緒に過ごすうちに、少しづつ変わっていったような印象を受ける。

果たして今の杉元が、北海道に来た本来の目的をどのくらい意識しているのだろうか。

 

 

第302話

記事をなかなかアップしないうちに、この話が配信された。

「金塊の分け前なんて忘れてそうだな?」

驚いた。土方が触れた。杉元の目的に。

「自分のためだけならとっくに諦めてる」

つまり他人のために諦めてないわけで。

 

梅子もアシリパさんも他人に相当するけど、

土方「列車降りて逃げろ」

杉元「残って追っ手を減らす アシリパさんの権利書を守るにはそれしか無い」

土方「金塊の分け前 (略)」

杉元「自分の (略)」

の流れ的に権利書とアシリパさんのために戦っている自覚があるのは確実。

 

梅子についてはどうなんだろう。

ある事実に対する言及がないことは、その事実が存在しないことと同等ではないので……

しばらく梅子の話が出てきてないからといって杉元が梅子の目をどうにかしようという気が無くなった、とは言い切れない。

 

 

そもそもの話

ここまで書いといて今更だけど、杉元が北海道に来た動機の大半は戦争から帰ってこられない心を持て余していることであって、親友の妻の目病を治したい気持ちがまったく無いわけではないけれど、それを体の良い理由として使っていた側面もある、という可能性はないだろうか。

 

ただ、アシリパさんと出会って以降は、自らの意志でアシリパさんのために行動しているように見受けられる。

 

今は列車内で大変なことになっているけど、過去のあれこれと折り合いをつけたことがわかるような描写がいずれあると良いな。

 

 

最後に

なんにせよ今後の話が気になって仕方がない。

どう着地するのかぜんぜん予想できないし、他にも疑問に感じていることは多々ある。

毎週木曜日の生きる糧、もうしばらく大切に楽しんでいきたい。

 

 

追記:

どの程度かは分からないものの、梅子が視力を取り戻した描写があった。

また、再婚もしていたことも判明。

杉元は砂金を渡したけど、寅次との約束について梅子が把握しているようには見えなかった。

でもまあ杉元は自分の過去にけりをつけられたようでよかった。

梅子にお金を渡すという本来の目的を達成した上で、アシリパさんと共に生きる選択をしたのは綺麗な終わり方だった。

杉元が現在の自分を肯定したシーンには感動した。

【オクトラ大陸の覇者】権力を授けし者3章・感想【ネタバレあり】

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チ ェ イ ン ラ イ ト ニ ン グ ゥ !

とても役に立ちました、本当にありがとうございます

 

 

海マップ楽しい

小島がいっぱいある。

猫島見つけたときはびっくりした。

クリア後に釣り人が現れたりするところも細かくて好き。

負傷兵のくだりは切ない。

 

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この石碑のように「調べなくてもクリアには関係ないけど世界観を深める役割は果たしている」みたいなオブジェ見つけるとめっちゃテンション上がるから今後もどんどん追加してほしい。

 

 

シンボルエネミー火力高い

船に乗ってる敵、ターンの終わりにもう一回ダメージ与えるのずるい。

脳内イメージは三國無双孫尚香の武器。

回復のために街に戻るの面倒くさくて討伐書を使い果たした。

 

 

魅了が厄介

男も女も魅了するタトゥロック。

「雄」がどうのこうの言ってたのに。

うちのソフィアちゃんは可愛い女の子なんだが???

まあパーティ全員女で対策可能だとつまらないから仕方ない。

 

適当なパーティで突っ込んだらまっっっっったく弱点突けず撃沈。

サイラス先生は狙い撃ちされて最初に倒れた。

流石イケメン。

 

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クリアしたメンバーは多分これ。

配置はなんか違う気がするけど。

 

もしかして麻痺入る?と思って久しぶりにギルデロイ入れたら案の定だった。

ありがとうギルおじ。

1、2回行動を封じるだけでも余裕が生まれた。

 

やっと星5に昇格できたテオも投入してみた。

このゲーム、リジェネの回復量が多いからリジェネ無効の敵と回復割り込みさせたいとき以外はリジェネ使ったほうがターン数を節約できて良い。

今思い出したけどベルトラン入れるのもアリかも。

 

 

タトゥロック

敗北を素直に認めるところは好感が持てる。

けど自分が強くなるために他者の命を犠牲にするのは違くないですかね。

力こそ美、らしいけどそうやって手に入れた力、美しいと言い張れるの?

 

指輪によって豹変したのか元々そういう人だったのか。

独善的な性格だからこそ指輪に魅入られたか。

 

あと下ネタっぽいテキスト、それが彼女のキャラクター性です、と言われればそれまでだけど、個人的にはあまり好きじゃなかった。

 

 

アラウネ

この人なんかした?

極めし者終章が嘘みたい。

 

エリカみたいに武術を習得しようとする素振りもなく、魔法で戦うわけでもなく、前線にのこのこ出てきてひたすら守られる。

 

話し合いに重きを置いてたけど、結局は「選ばれし者」が力で屈服させたし。

力を得るためなら手段を選ばない大国ガ・ロハがオルステラ(笑)と和平を結ぶメリットは特に無さそうなのに話し合いでどうにかなると思ってたの、外交舐めすぎでは。

 

道中のシンボルエネミーを倒すたびに回復するとか、最終戦でバフかけるとか、そういうのが一切なくて寂しい。

黙って見てないで手伝ってよ……。

 

 

最後のシーン

その名前は……前作で聞いたやつ……!

もしかしてアレが開かれるのか。

 

 

余談

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あ き た け ん !

 

 

まとめ

何だかんだ言いつつも楽しんだ、授けし者・権力編

ストーリーに色々と疑問は残るけど戦闘は歯応えあったし、謎の大国に立ち向かう的なシチュエーションも良かった。

散っていった無数の命はどう弔われるのか、ドニエスクはいつ立て直されるのかが今後の関心事である。

 

次は名声編やる。

富編は終わったけどストーリー忘れてしまった

アニメ『灼熱カバディ』全12話感想

カバディカバディカバディカバディ……

 

2021年春アニメ『灼熱カバディ

原作漫画のファンなので、アニメ化をとても楽しみにしていた。

事実、この3カ月は毎週の放送を楽しんでいた。

改めて感想をまとめていく。

 

原作のアニメ化範囲外のネタバレなし。

アニメのネタバレはあり。

具体的なシーンに言及する部分がある。

 

 

 

 

原作に割と忠実

順当に面白かった。

 

限られた話数の中でも、原作の要所要所を押さえ、コンパクトにまとまっていた。

主人公がカバディと出会い徐々にハマっていく様子、チームメイトとの間に芽生え始めた信頼、ライバルたちの登場、先輩たちの何やら因縁のありそうな雰囲気などがテンポよく描かれていた。

 

ギャグの面白さもそのまま再現されていたように思う。

宵越が畦道に (色々な意味で) 対抗心を燃やすシーンや、伴が登場するシーンは笑った。

 

ストーリーの根幹を崩さずアニメ化されたという点で、非常に満足している。

カットや順番の入れ替えは致し方あるまい。

 

 

カバディのルールがわかる

事件の再現CGみたいな映像で解説してくれる。

わかりやすい。

 

解説役は主に副部長・井浦、奏和との練習試合はサッカー部の監督。

経験者目線で丁寧に教えてくれて安心感のある副部長、初心者目線でたどたどしくルール本を読みながら理解を深めようとする監督、どちらも好き。

 

 

キャラクター性が強まる

アニメ化というものは往々にして、キャラクターを強く印象付ける。

声がつき、色がつき、動くことで、自分がキャラクターに対して抱いていたイメージのすき間が補完されていく。

以下、各キャラクターのアニメで印象的だった部分をひとこと。

 

 

 

 

クリックで開く

宵越:めっちゃ負けず嫌い。向上心が高い。

王城:なんか可愛くなった?ただし試合中は魔王。

畦道:善人感マシマシ。素直でいい子。心が広い。

井浦:頭のキレる人。台詞が多い!

水澄:いい先輩。和む。

伊達:カラー化のおかげで白目部分が際立つ。

伴 :やはり声が小さい。まさかの字幕。

関 :すべすべしてそう。美形…!

人見:かわいいね ほんとにかわいい かわいいね (字余り)

六弦:CV安元洋貴の強キャラ感がイメージ通りだった。

高谷:きまぐれな戦闘狂。

佐倉:王城スキー

右藤:佐倉スキー

 

 

 

 

 

作画もうちょっと動いて欲しい 

PVの時点で察しはしたけど、なんというか控えめな作画だった。

 

例えば第3話、スポーツから距離を置いていた宵越が、真剣にカバディをし酸欠になりながら、「この燃える世界は」と口にする。

宵越がスポーツの熱さを思い出す、胸熱シーンである。

しかし、作画がシンプルすぎたため、酸欠になるほどの疲労が真に迫って感じられず、そのセリフの説得力が足りなかった。

 

息切れしてるシーンで頭部が上下するだけなのも面白かった。

鳩か?

 

勢 い が 欲 し い!!!

ストラグル!シュッ!!カウンター!バーーン!!!筋肉!ゴリッ!!

みたいな感じでお願いしますグッズ買うので……。

 

2期以降も見たい

連載中の作品のアニメ化によくある、面白いのはここからなのに…というところで終了するアレ。

本作もその例に漏れない。

 

一部のシーンがカットされてるため、あれもこれも見たかったのに、という思いもある。

ただ、何もかも再現しようとして、かえって冗長になる場合もあるため、バランスは大事。 

 

色々言ってきたが、マンガワンで連載を追ってた身としては、アニメ化自体がとても喜ばしい。

だからこの調子で2期、3期、その先も見たい。

 

 

その他の良かったところ
  • OPや予告でキャントがSE的に使用されている。こういう演出好き。
  • 「キャント1時間耐久」という斜め上のPR活動。こんなん笑うわ。

【1時間キャント動画】耐久カバディ! - YouTube

 

おわりに

『灼熱カバディ、面白かった。

喋って動いてるキャラを見れて嬉しい。

正統派スポーツアニメ感が良かった。

原作者とアニメ製作者に感謝。

2期来てほしい。

 

『灼熱カバディ』の灼熱たる所以を考える

宵越竜哉は『不倒の宵越』と呼ばれるサッカーの名選手だったが、
高校入学を機にスポーツと縁を切ってしまう。そんな彼のもとへ、とある運動部が勧誘にやってくる。
その競技は、 仲間と協力し縄張りに侵入する敵を捕らえ 、引きずり倒す事で勝利へと繋げる…
言うなれば『走る格闘技』。競技の名は……カバディ!!

INTRO 灼熱カバディ|テレビ東京アニメ公式

 

裏サンデーマンガワンで連載中のスポーツ漫画『灼熱カバディ』。

本日深夜からアニメが放送開始とのことで、わくわくしている。

この衝動をどうにかするために、『灼熱カバディ』の何に灼熱を見出しているのか、自分なりの考えを綴りたい。

 

 

 

 

名実ともに「不倒」の宵越が挑むカバディ

諦めないということ。

物事を極める上で、最もシンプルな原理原則であるとはいえ、何かをずっと続けていく大変さは尋常ではない。

だからこそ、困難に立ち向かう姿に心を揺さぶられるのではないだろうか。

 

この作品の主人公である宵越は、「不倒」という仰々しい二つ名で知られる存在である。

サッカーの試合中に絶対に転ばないことから、そう呼ばれるようになった。

重苦しくないのか疑問だが、向上心の高い宵越は結局のところ、その名に違わぬ奮闘ぶりを見せる。

 

ここで付け加えておきたいのが、彼が遮二無二突っ走っているわけではないということだ。

スポーツの素養をすでに身につけているため、客観的に状況を把握し、打開策を冷静に見出すことができる。

また、初めて挑戦したカバディで転ばされているからこそ、スポーツに対する鬱屈とした感情を自分なりに整理し、カバディに本気で取り組んでいる。

 

宵を越すというネーミングも、彼の不倒の精神を物語っているようである。

カックイイね。

 

 

宵越を取り巻く人間関係

登場人物間の心理的な関係の変化も、物語を面白くする要因である。

切磋琢磨する同志との友情、チーム内で徐々に育まれる信頼、他校の選手に対する競争意識、遥かに優れた技術を持つ者への憧憬。

こうして当たり障りのない表現でまとめてしまうと陳腐に見えるが、実際はぜんぜんそんなことはない。

異なるバックグラウンドの人たちが、カバディというスポーツを通じて敵味方問わず影響し合う様が丁寧に描写されており、胸熱である。

 

最後に

『灼熱カバディ』はその名の通り灼熱で本当に面白い。緊張感溢れる一瞬の攻防に興奮し、個性豊かな登場人物が織りなす人間模様に共感を覚える。原作の今後の展開も、アニメも両方楽しみにしている。