原神公式マンガ『原神セレベンツ』の、日本語版と英語版の違いをまとめた。
大意は同じでも表現がやや異なるものから、まったく別の意味になってしまうものなど様々あったが、個人的に気になったものをいくつかピックアップする。
※ページ数は日本語版を参照
※単語レベルで違う箇所は太字で示す
※日本語・英語の片方にしかない表現を扱うこともある
※英語の文を和訳することもあるが精度は保証しない
p14 ナレーション
[ja] 風の神は
[en] archon of the wind Barbatos
日本語では「バルバトス」の名が出ていない。
p14 ナレーション
[ja] 風の神は人々へ知恵と力を伝え授けた。風車を造り、人々に食材の加工と酒の醸造法を教えた。
[en] The wind archon then imparted his wisdom to people. They brewed wine, built windmills, ...
英語には「力」がない。
風車を造ったのは日本語では風の神、英語では they = 人々となっている。
p17 ウェンティ
[ja] さっきの詩のお代はここのリンゴ100個と交換でもいいよ
[en] the song for this square doth fetch one hundred apples, grown with loving care ...
英語のほうが詩的。
なお、英語版ウェンティのセリフは他にも洒落た言い回しのものが多い。
p23 ウェンティ
[ja] こうしちゃいられない——
[en] So why do we dally? At the ludi shall we rally!
バドルドー祭 (Ludi Harpastum) に向かうウェンティのセリフ。
英語は韻を踏んでいる。
意味は「ぐずぐずしちゃいられない、お祭りに集まろう!」といったところか。
p27 モブ&ウェンティ
mob: You're not from these parts!
(日本語: ん?あんた…よそから来たのか?)
Venti: NO, SIR!
モブのセリフは日英で大体同じだが、英語版はウェンティの "NO, SIR!" がフキダシ外に付け足されている。
笑えるポイント。
p29 ウェンティ
[ja] こういう意味だったんだ
[en] this fat lard must be Barca the lordling ...
バドルドーでだれも球を拾おうとしない状況を見たウェンティの一言。
英語のほうはもはやバク (Barca, ローレンス家の跡取り) に対するただの悪口。
fat lard は文字通り「太ったラード」、lordling は「小貴族」とこれまた馬鹿にした言い方である。
p31 ウェンティ
[ja] ゲームはルールを守らなきゃ その偉大なる家っていうのは常識も教えてくれないの?
[en] Games are meant to be played by the rules, perhaps you missed that while sleeping through school.
バクに向かって言ったセリフ。
英語のセリフによると、モンドには学校制度が存在する模様。
p35 オノマトペ
[ja] たじ…
[en] These savage slaves are quick to anger ...
ヴァネッサに遭遇したバクの反応。
「こいつら野蛮な奴隷はすぐ怒るんだよな…」みたいな感じか。
このように、日本語ではオノマトペで表現されているものが、英語では文で表現されている場合が多々ある。
p42 ヴァネッサ → ウェンティ
[en] And stop the rhymes. It irks me.
「韻を踏むのをやめてください。イライラします。」
英語ではウェンティの吟遊野郎ぶりが指摘されている。
p42 ウェンティ
[ja] 大陸西部の火山地帯に住む民族のことだよ
[en] A strong and proud people who dwell on the volcanic slopes of the west.
ムラタ人の説明。
strong and proud (強く誇り高い) が日本語にはない。
p49 ヴァネッサ → ウェンティ
[ja] あの空にある島の話を話してもいいですか?
[en] Can you tell me something about Celestia?
英語では「セレスティアの話をしてくれませんか?」と尋ねている。
日本語と逆。
p49 ウェンティ → ヴァネッサ
[ja] その話を聞く機会は今後いくらでもあるからさ
[en] There's plenty of time for songs about celestia.
こちらも日本語と英語で逆になっている。
p64 ヴァネッサ → ウェンティ
[ja] その格好はいったい...
[en] You ... are you the ...... the wind god?
英語は「あなたが…風の神なんですか?」と訊いてしまっている。
p67 ナレーション
[ja] 『古代戦争』の後、人々の想いより建立されたモンド本来の姿に——
[en] Just as I intended when I raised the city after the first wars.
日本語では3人称視点のナレーションが、英語ではウェンティの詩になっている。
このナレーションは68ページまで続くが、英語のほうだけ次ページから音符マークが添えられている。
p69 ウェンティ
[ja] 遥か昔より伝わってきた物語
[en] In other, distant worlds ...
distant worlds (遠くの世界) とは……?
p69 ウェンティ
[ja] プルシャの体が千切れ
[en] The gods sacrificed Purusha and cut his body to pieces ...
日本語では自動詞になっており、この箇所だけだと自然に千切れたとも解釈可能。
英語では神が引き裂いたと明言されている。
元ネタのインド神話でも、千切れたのではなく千切ったことになっている。
おしまい
公式漫画のリンク↓
Genshin Impact – Step Into a Vast Magical World of Adventure