宵越竜哉は『不倒の宵越』と呼ばれるサッカーの名選手だったが、
高校入学を機にスポーツと縁を切ってしまう。そんな彼のもとへ、とある運動部が勧誘にやってくる。
その競技は、 仲間と協力し縄張りに侵入する敵を捕らえ 、引きずり倒す事で勝利へと繋げる…
言うなれば『走る格闘技』。競技の名は……カバディ!!
裏サンデーとマンガワンで連載中のスポーツ漫画『灼熱カバディ』。
本日深夜からアニメが放送開始とのことで、わくわくしている。
この衝動をどうにかするために、『灼熱カバディ』の何に灼熱を見出しているのか、自分なりの考えを綴りたい。
名実ともに「不倒」の宵越が挑むカバディ
諦めないということ。
物事を極める上で、最もシンプルな原理原則であるとはいえ、何かをずっと続けていく大変さは尋常ではない。
だからこそ、困難に立ち向かう姿に心を揺さぶられるのではないだろうか。
この作品の主人公である宵越は、「不倒」という仰々しい二つ名で知られる存在である。
サッカーの試合中に絶対に転ばないことから、そう呼ばれるようになった。
重苦しくないのか疑問だが、向上心の高い宵越は結局のところ、その名に違わぬ奮闘ぶりを見せる。
ここで付け加えておきたいのが、彼が遮二無二突っ走っているわけではないということだ。
スポーツの素養をすでに身につけているため、客観的に状況を把握し、打開策を冷静に見出すことができる。
また、初めて挑戦したカバディで転ばされているからこそ、スポーツに対する鬱屈とした感情を自分なりに整理し、カバディに本気で取り組んでいる。
宵を越すというネーミングも、彼の不倒の精神を物語っているようである。
カックイイね。
宵越を取り巻く人間関係
登場人物間の心理的な関係の変化も、物語を面白くする要因である。
切磋琢磨する同志との友情、チーム内で徐々に育まれる信頼、他校の選手に対する競争意識、遥かに優れた技術を持つ者への憧憬。
こうして当たり障りのない表現でまとめてしまうと陳腐に見えるが、実際はぜんぜんそんなことはない。
異なるバックグラウンドの人たちが、カバディというスポーツを通じて敵味方問わず影響し合う様が丁寧に描写されており、胸熱である。
最後に
『灼熱カバディ』はその名の通り灼熱で本当に面白い。緊張感溢れる一瞬の攻防に興奮し、個性豊かな登場人物が織りなす人間模様に共感を覚える。原作の今後の展開も、アニメも両方楽しみにしている。